叢荘8148号室―廃車探索の意義

「廃車を探索する」ということ     ヅラヲ(管理人)

私は「廃車体の探索」という活動を考古学の一種ととらえています。
当ページをご覧になって頂いてお気づきかと思いますが、登場して来る車は乗用車 よりはるかに商業車(バン、トラック、バス)が多くなっています。
それはなぜなのか。
乗用車はメーカーが過去の製品を自社で保存していたり、各地の博物館に展示され ていたり、個人の方が現在でも所有していたり、コレクションとして収集されていた りしているのでまだ相当数が現存しています。(もちろん車種や年代にもよります が、ここは一般論として)。
それでは商業車はどうでしょうか。

最近は商業車においてもメーカーが各地から引き取りレストアして保存をし始めて いるようですが、一部のエポックメーキング的な車に限られ、殆どの車種という訳では ありません。また商業車を展示している博物館も全国に数えるほどしかありません。
個人ユーザーについては深刻で、未だに旧いバンやトラックを使用しているという方は ほとんどおらず(もちろんNoXの影響も有るのでしょうが)、一部の熱狂的な方々に よって所有されているに過ぎないのが現状だと思われます。商業車はその性格上、「消 耗品」「消費財」として認識され、酷使は避けられません。よって、代替のサイクル も当然短くなり、今までの車は廃車→解体という事になります。
そうなると、旧い商業車はもう資料の中の写真でしか見る事ができず、現物としてはもう見られないので しょうか?

実はお払い箱になった旧い商業車達の中には運良く第二の人生に恵まれた者がいま す。それは「物置」や「看板」への転職です。ライトバンやバスが物置の用途に適し ているのはその形状からも一目瞭然です。比較的土地のある郊外ならば置き場所に困 ることも少ないでしょう。また看板においてはボディの表面積が大きいので目に付き やすいという利点もあります。地方へ行くとそのような廃車体が点在しているのはそ のためではないでしょうか。もちろん用途不明で「ただ道端に置きっ放しで何十年」 という個体も有るには有りますが。
私がその事実に気づき始めたのは中学三年生の受験直前でした。そして「今旧車 (含乗用車)を探し出して、何らかの処置をしないと大変なことになる」と思ったのです。以後は語 るまでもありません。

やや長い文章になってしまいましたが、要するに、今我々がアウトドアで目にする 事が出来る旧車は(イベントや博物館に行かなければ)そのような状況(廃車体)の ものがほとんどです。それらを探し出し、写真に収めて画像として保存することによ り、これまで商業車として日本の産業を支え続けてきた、またマイカーとして家族の 生活に貢献してきた自動車に敬意を表したいのです。



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