'08 5月総評

 2008年のゴールデンウィーク、ZITエーヂェンシーは結成後(もう何度目か数えるのも億劫なので数えない)度目の遠征&温泉療養に出かけました。今回の遠征も探索より旅行がメインということで、「大和の心に触れてもう一度日本人として大切なことを考えよう」というテーマのもと、奈良県方面へと足を伸ばしました。実は裏テーマとして、「悶絶!中年のための『改めて行く修学旅行』」というのもあったのですが。


《一日目》


 五月晴れと言うよりは初夏に近く、暑ささえおぼえる陽気の下出発した私達。もちろん集合時間直前に「起床」した某メンバーのために急遽集合場所を変更した事は言うまでもありませんが、これだけは彼の名誉のために黙っておきたいと思います。


 連休真っ只中のため当然高速道路は渋滞していましたが、それさえも気持ちの良い好天のため苦にならず、すんずんと西へ向かい、途中のSAにて小休止。インチン・タチらは煙草なんぞをプカプカやりつつ連休気分を満喫しています。ともかくどピーカンで、全てが眩しい。若い頃は心躍るこの天候も、歳を食った今となっては若干の舌打ちとしかめっ面になってしまいます。ふたたび西進し、高速を降りてからはしばし探索モードに突入。でないと今回の遠征、ヅラヲの存在価値が半分以下になってしまいますから(笑)。


 今回実を言うと草ヒロの成果はほとんど期待していませんでしたが、それでもコニーコンソルテという誠に渋い逸品を見つけることが出来、さしものヅラヲもホクホク顔。道中も山アリ峠アリ山間の村々アリのルートで、ドライブ気分も満喫。緑に囲まれてなぁ〜んにも考えずに人気の少ない場所を走るのは、どこへ行っても人、の連休に、ある意味では贅沢な時間の使い方といえましょう。神社脇の蕎麦屋でまたもや蕎麦をのんびり食し、傾いた陽に焦ることも無く、まさにのんべんだらりとした道行きです。
 やがて千本桜で有名な温泉街に入り、目的の旅館に到着。桜の季節はさぞステキな眺めであろう見晴らしの良い展望室並みの一室に落ち着きました。
 そして待ちかねていた旨い酒と旨い飯、さらに温泉の波状攻撃に、脳味噌もとろけよとばかりに現実逃避の快感を味わったものでした。




《二日目》


 とろけた脳味噌が元に戻らない内に、よせば良いのに朝風呂なんかに入ってしまった三人に社会復帰が出来るのかどうか甚だ怪しいものです。あっさりとした朝食を食し、朝日の差し込む食事処で食後のお茶をめいめいすすっていると、全員「もう会社に行きたくネエよ・・・」の口癖にも重みが増してきます。


 さて二日目はインチンメンバー主導のもと、観光をメインに置きました。以前、すでに4年前になりますが、04年GWの高野山探索旅行の際にも、帰途、少しだけ奈良を回っているのですが、その時は帰りが急ぎだったために、観光なぞは二の次、チラ見で終わった経緯があり、「時間を作ってもっかい明日香を回ろう。オレが『謎石めぐり旅』をプロデュースしてやるから」というインチンの当時の宣言が、数年後の今回ようやく実現の運びとなったので、感慨もひとしおです。ボロいサビた車なんか探さずに日本人が本来あるべき姿を探そうではないかという大変アカデミックな命題、というと語弊がありますが(笑)、草ヒロ熱でパンク寸前のヅラヲをクールダウンさせるためにも、変則的なスケジュールどりをして臨んだのです。ヅラヲはこの日は修学旅行に来た小学生の如く、しおりと鉛筆を手に二人の後に付いて斑鳩の里に臨みました。


 猿石、鬼の雪隠・爼、亀石、橘寺の二面石、石舞台、酒船石・・・数々の伝承石を一つ一つ巡っていく内に降りだす・・・、昨日のピーカンは一体何だったのか。雨に濡れるコンビニのビニール傘を持つうらめしそうな表情の三人。天気が良かったらレンタサイクルでも借りて「風」になろうとしていたのに(笑)。ちなみに「亀石」は04年の時にも寄っています。実に4年ぶりの再会。といっても場所があまりに日常と接しすぎていてさしたる感動はありませんが、それでも「あれから四年も経ったのであるなあ」と思わず灰色の空を仰がずに入られませんでした。隣をみれば、それ相応に歳を食った友人達がバカ話に興じていますが、よく見ればシワと白髪に冒され、どことなく下品の相を帯びています。嗚呼、人はこうして老いていくのだな、と感傷的な気分にもなりました。なんて。


 橘寺、石舞台古墳も同様、前回は近寄っただけで、標識を認めたのみ。今回はきちんとそれぞれ駐車場に車を停め、ぷらぷらと見て回ることが出来ました。幸いこの時は雨が上がっており、曇り空ながらも心置きなく散歩を楽しめました。その後もインチンスケジュールに従って「石」を見て回るものの、なぜかルートがカブる謎の女性(徒歩)がおり、行く先々すべてですれ違うのでなにやらサスペンスの予兆を感じさせましたが、甘樫の丘を機に見なくなりました。よく考えれば数ある観光ルートのひとつ、人も多いので、単なる偶然であったようです。最後は岸壁にたどりついて初老のベテラン刑事と大立ち回りを演じるのではないかと期待していた我々にとっては、何とも言えないアンチクライマックスでした。




 次に向かったのは奈良観光、というよりも日本観光の定番中の定番奈良公園&東大寺。かなりの距離がありますが、そこはアホな我々のこと、それほどの苦でもありません。


 近づくにつれ大渋滞&大混雑で、さすがは日本を代表する観光地だなどと妙に関心。雨もかなり降り出しているのに凄い人の数。タイムロスはありましたが何とか駐車。名女優吉永小百合の歌う鹿のフンのテーマ(実際には「奈良の春日野」という曲名らしいが)を口ずさみながら奈良公園の鹿とたわむれ、大仏様のスケールの大きさを体感しようと思ったのは良いですが、雨はとうとう土砂降りになりそれぞれの衣服を容赦なく湿らしていきます。各々「どうして草ヒロの時だけ晴れてこういう時に・・・」と空を見上げました。しかし、大仏殿はさすがのスケール。小学生の時の修学旅行では感じることの無い圧倒的な迫力があり、オトナになってからのほうが見る意義があるような気がしました。小さい頃はたいていなんでも大きく見えるので、この縮尺を体感できるのはやはり成人してからでありましょう。とにかく大仏殿が視界に入るや「えっ、デカっ!!」「ちょ、デカっ!」を連発。これはちょっとした驚きでもありました。時間と天候と体力の都合もあり、正倉院はチラ見で終了(笑)。

 修学旅行以来約二十年ぶりに見た大仏は前と変わらず元気な様子を見せてくれました。


 大仏殿をあとにしたのはもう夕暮れの時刻。雨の中駐車場へ戻ると、なぜか途中千円札が落ちており、雨でビダビダのソレを拾って近くの管理所に持っていくなどというしょーもないハプニングもありましたが、この時点で我々は朝食以来何も食べておらず、「食う場所」探しに奔走することになりますが、時間だけが過ぎてゆき、結局は高速のSAにて9時近くの遅い昼食兼夕食という、のんびりした一日のしわ寄せが一気に来たような食事事情を抱えることとなったのでした。

 食事にありつけるまで、”大食漢”インチンが腹がすきすぎて車中で何度も咆哮していたのは言うまでも有りません。


  オイオイ、草ヒロはどこいったんだよ! と言う声が聞こえてきそうではありますが(笑)、これがしょーもない我々の実像でもあるのです(笑)。


 ほんの少しのサビ深い歴史ロマンに触れ、三人にとっては珍しく意義ある二日間でありました。
 ・・・と、書いても・・・いいのかな(笑)


(ヅラヲ)


※ここでの評価はあくまで主観的なものであり、当方の感性によるものです。見る人によってさまざまな見方や感じ方がありますので、そういったものを批判・否定する意図などは全くないことをお断りしておきます。

戻る場合はウインドウを閉じてください。



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送