'09 9月総評

 2009年の9月は突然降って湧いたような連休、曰くシルバーウィークが下旬にありました。なんでも土日があって敬老の日と秋分の日と間に挟まれた日がナンチャラカンチャラで・・・と細かい事はよく分かりませんが、どんな理由であれ連休はウレシくてタノシいものであります。

 そんなタノシい連休は温泉旅行に限ります、というわけで今回も我々ZITの面々は一泊でひとっ風呂浴びに出掛けることにしました。

 場所は今まで二時間もののサスペンスドラマでおなじみだったものの、個人的には疎遠だった静岡は伊豆半島。草ヒロについては恐らく期待薄なエリアなので、「旅メイン運良く見つかれば撮影」みたいな具合でノンビリといきましょうや、といったノリで始まりました。



《一日目》

 東名高速を一路東へ。さあどんな珍道中になりますやらと思ったのも束の間、ヅラヲが発した一言はおよそ文学がメインの学部出身とは思えないものでした。

「いやーまず伊豆と言えばあれだよね、日本文学の名作。ホラ、松尾芭蕉の。」

 いかにも知識をひけらかす的な感じで口にしたのですが、これが大失態。要するに川端康成と間違えているのです。あとの二人はポカンと口をあけるしかありません。ジャンルはおろか、生きた時代さえも全く違う二人がどこでどう結びついたのか。こんなのは学部うんぬんより前に大抵の人が知っていること。いっせいにユニゾンでツッコミ(説教)が入ります。ヅラヲの文学史に対する知識、と言うよりも日本人としての常識が根本から疑われたいきなりの名場面でした。



 さて、長い道中車内で聴くBGMが必要ということでインチンが調達してきたのは、奇しくも放送開始50年となったN○K教育テレビの番組のテーマ曲を集めたCDでした。いやはやこれは懐かしい。小学校時代、理科や社会や道徳の授業で何となく見せられていた番組のテーマをこんな年になって再聴できるとは思いませんでした。その中の一曲はよほど耳に染み付いたのか、この旅行中メンバーが何度となく口ずさむことになります。



 沼津インターで降り、いよいよ伊豆半島へ。首都圏からそう遠くはないというイメージなので、この連休中も都会の人々が多く訪れるであろう伊豆半島への突入に、西からやって来た田舎者達はやや緊張の面持ちです。
 今回の宿は半島南端に位置しているので、ひたすら南進。途中「天城越え」の歌詞にもなっている浄蓮の滝に立ち寄りました。石川さ○りの歌声が頭の中で響きます。ふたたび南下を開始しますが、途中の大スケールのループ橋に興奮する一人のメンバーに、立て続けに飛び込んできた草ヒロ達にニヤリとする一人のメンバー。

それぞれの思いを載せたクルマは夕方近くに宿へ到着。
 山を背景に味のある木造の宿。おりしも夕闇が降りはじめる時刻。混雑しているなかを部屋に通され、さっそく浴衣に着替えます。食事の前に早速ひとっ風呂、は良いのですが、ここの宿は宿泊客だけでなく立ち寄り客にも温泉を提供していて、しかも連休も手伝って、「千人風呂」を謳う広大な浴場はかなりの混雑っぷり。混浴も可ということなので女性客(もちろん布着用)もいたらしいのですが、照明もほの暗く、眼鏡非装着だったため確認にはいたりませんでした。脱衣場では茶髪で威勢の良さそうないかにもなニイちゃんたちが半裸で缶ビールをゴクゴク、ブハーという場面に遭遇。いやー若さってやつは(笑)

 旅行の重要な要素の一つである夕食は、さすがに海が近いということもあって旅番組でしか見たことのないような豪華な刺身の舟盛りがメイン。ここにいたってグルメ番組などでお目にかかっていた「口の中で溶ける」お刺身に一同ボーゼン。新鮮な海の幸を口にするたび、「あ、この瞬間が日本人だね」と、まるで昔の日産車のCMみたいになってしまいました。対面のインチンは酒をゴグゴグ飲み、刺身をモリモリ食し、酒の勢いでひとりゲラゲラ笑い、盛大なクシャミのファンファーレを鳴らすなど大忙しで至福の真っ最中。これが旅の醍醐味というものでしょうか。
 食後はもう一度あらためて風呂へつかりに。時間も遅いため今度は宿泊客だけということで、広い風呂場はほぼ貸切状態でこれまた至福の時。人もおらず、聞こえるのは水音のみ。薄暗い照明で湯気がけむり、ボンヤリとした明かりのなかで窓外の小さな灯火がにじむと、幻想的でとんでもなくイイ感じ。つげ義春の漫画に入り込んだような感覚に襲われます。何をするともなく湯船につかりボーっとして、しばらくしたら露天風呂のコーナーへ。それに飽きたら水風呂(厳密に言えばぬるま湯と冷水の中間くらいの水温)へ。これがまた気分が良いのなんのって。インチンは酒も手伝って、道中聴いてきたN○Kのテーマ曲を口ずさみ続けています。

 これを三人は延々繰り返し、都合一時間半くらいは入っていたかもしれません。もともとフシダラでふやけた体がさらにふやけ、俗世間にまみれて張り付いた半ニヤケの表情も手伝い、見るも無残な状態になっていたことは言うまでもありませんでした。

 出るにいたった理由は「まだずうーっと入っていたいが、これ以上入っていると休み明けの社会復帰に影響がでるから」からに他なりません。

 立地も手伝って実に静かな夜。邪気の失せたおっさんらはすぐに眠りに落ちました。



《二日目》

二日目。  朝起きて三人のすることはと言えば、「朝風呂なんかに入ったら、仕事なんか本気でしたくなくなってしまうからやめとけ」という影の忠告も聞かず「朝風呂」

 あれだけ昨夜こいつに骨抜きにされたと言うのにこの三人は全然懲りてないのでしょうか。ほら、案の定朝からグダグダに・・・。

 入浴後の朝食は昨晩のお造りで登場した海老のお頭が豪快に投入された味噌汁が圧巻&非現実。

朝の日が差し込む窓からは、近くの学校からの朝練らしき掛け声が聞こえてきたりして、なんだかいい感じです。しっかし旅番組のリポーターって奴ぁこんなのばっか食べてんでしょうか。



 二日目は半島西側を通るルートを選択し、観光を主眼に置いて石廊崎と黄金崎に立ち寄りました。



 石廊崎では灯台とジャングルパークの廃墟を見て回り、石室神社では縁結びのお守りをこっそり買ったつもりのヅラヲがしっかりとタチに目撃されるという一幕も。廃墟はバブル期の忘れ形見を見るようでもの悲しさを感じました。

 道中の道の駅で買ったわさびソフトクリームはクリームにまんまトッピングされた生わさびにドギモを抜かされ、ただ笑うのみ。ウマいマズいという前に一度口にする価値がある名産品ではあります。



 帰りの高速道路は行楽帰りのクルマの列にまともに突っ込む形になり大渋滞に見舞われました。愛知県内に入ると解散予定の駅の終電車に間に合わせるために渋滞と時間とのスリリングな戦いが繰り広げられました。

 旅行の帰りの足が終電・・・

 いやあ翌日が(休日出勤のタチ以外は)休みでホンっっとに良かったです。




 と、駆け足で振り返りましたが、結論だけ言えばいつものようにユルい遠征でありました(これだけ書いといて)。 温泉の誘惑に負け、恐らくトータルの入湯時間は今までと比べても群を抜いていたでしょう。もう少しルートと観光地を予習すればもっと効率的な旅行になったはずなんですが、それもまたよし。廃車も三台は確保して「草ヒロサイト」の面目も何とか保てたことだし・・・(安堵)



 次はどこか良い宿ありますか、タチさん。


(ヅラヲ)


※ここでの評価はあくまで主観的なものであり、当方の感性によるものです。見る人によってさまざまな見方や感じ方がありますので、そういったものを批判・否定する意図などは全くないことをお断りしておきます。

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