'11 5月総評 <其の一>

2011年。

もはやミレニアムという単語すら死語になり、使う機会さえ無くなってしまった昨今。21世紀になってはや10年の歳月が経ってしまいました。当然私達も年をとるわけでありまして、2004年から始まった黄金週間の遠征もほぼ毎年行なわれ、とうとう今回で7回目を数えるに到りました。
よくもまあ続けるもんだとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、無理やり続けているわけでもなく、いつの頃からか例年年が明けた時季にタチが「○○あたりに良い宿があるんすよ」とメンバーに声をかけ、それでなし崩し的に遠征地が決まるという謎のシステムが構築されて、特に誰も疑問に思うことも無く今に至っています。あのー、あれですね、季節のお便りみたいな感じです。


しかし今回の遠征は、少々事情が違いました
前年2010年の秋に、プチ遠征を予定したはいいものの天候の影響で道路が寸断され、途中で断念せざるを得なかった場所を再訪する、というのが今回の遠征。半年振りにその箇所に再度リベンジすることが既に決定していたのでした。人間、そう簡単にあきらめきれないものなのです。


《1日目》


いつもの駅で集合、と号令をかけた当のヅラヲが、電車の時間の都合とはいえ若干の遅刻という波乱含みのスタート。 今までのヅラヲならば、

「うほほ〜い。今回はどんなボロボロノクルマがボクを待っていてくれるのかな〜〜。あ〜ドキドキワクワク」

などと妄想しつつ、10分以上前には必ず集合場所に存在し、遅れたメンバーがいようものなら四次元リュックから30センチ定規を取り出しパシリパシリと叩きながら「遅刻だなんてナニを考えているんだ!」「ワタクシを何分待たせるんだ!まったく修養が足らん!」と追い回すのが常でしたが、それが今回この有様。一体あの情熱はどこにいってしまったのかヅラヲよ、と思うほど他のメンバーは友人思いではありません。インチンはそんなことより鼻毛を抜くのに夢中でありました。


さて今回目指すのは紀伊半島。
先述したように2010年の秋にも一度一泊二日で計画していました。しかし往路途中で台風とカチ合い、夕刻には目的地への道路は通行止め、戻ろうにも戻りの道も通行止め、にっちもさっちも行かなくなり、当初予定の宿はキャンセルし、豪雨と強風のなか、ほうほうの体で海岸沿いの民宿に急遽予約、なんとか一晩を越えた、という不運に見舞われ頓挫に追い込まれたという経緯があったのです。翌日、ノックアウトされた我々は復旧した道路で帰途に着き、牛で有名な某市に寄ったついでに、この不運を祓うには何かムチャな贅沢をしたほうがいいと、突発的に某有名店でいちまんえんをゆうに超えるステーキをたいらげてみるという暴挙に打って出ました。結果、「あまりに高すぎて味がよく分らぬ。君はどうだ?」「ウン、実は僕もよく分らんのだ」というド庶民な感想を抱くに終わるという一幕がありましたが、ここではあまり関係ないですね。


そこで年も改まり、今回はリベンジとばかりにキャンセルした同じ宿を再度予約、一路西へ南へと舵を向けたのでした。


相変わらず高速道路のオニのような渋滞を何とか切り抜け、亀山PAで休憩をとった頃にはもうを回っていました。軽食をとるなどして、ふんどしを締めなおして再出発。ひたすら南下し、どうにかこうにか前回通行止めで頓挫に追い込まれた箇所をクリア。したものの、天候が崩れ始め、シトシトと雨が降ってきました。
やはりこの地にはあまり歓迎されてないようです。
十津川村の山間のヘアピン狭隘道路を幾度も乗り越えて、夕刻になんとか一日目の宿に到着。


雨は降っていますが、まあ何とか着いたしよかったよかったと、フロントでタチがチェックインを済ませ、仲居さんに案内されて部屋へ向かう途中の出来事。
仲居さんに「四階になりますので」と先導されてエレベーターに乗り込み、他の宿泊客も乗り合わせ、やがて動き始めるエレベーター。三階で止まり、乗り合わせていたほかの客が降りていくと、降りる客に吸い寄せられるように何故か一緒にヅラヲが降りようとしています。

インチンはヅラヲの服を引っ張って制止しようとしたのですが、何ということでしょうか、ヅラヲは服がどこかに引っかかったと思ったのか、振り払って何としてでも降りようとしているのです。たまらずインチンが「おい!俺らは四階だって!」と小声で鋭く注意します。「えあ?」とヅラヲがやっと気づいて振り返り、赤面しながらエレベーター内に戻った頃には仲居さんはこらえきれずに笑い始め、エレベータ内は苦笑の渦。どうやら仲居さんの「四階」という案内をまるで聞いてなかった様子。他の宿泊客が降りていくのでつられて降りたということのようです。「なんだ、わしらがキライか!」「わしらと一緒に泊まるのが実はイヤなんかい!」と一斉にメンバーが口撃を浴びせます。ヅラヲは憮然としていましたが、こればかりはしょうがありません。草ヒロ以外の事に関してはすべて右から左、というインチンの冗談にも抗弁できなくなる始末です。それにしても一体三階に何があるというのでしょうか? 
ロンパーの草ヒロに「呼ばれた」わけでもあるまいに・・・。
おっと、こんなことを書いているとまた彼らにナニを言われるか分かったものではありません(笑)。



今度はちゃんと四階で降りて部屋に入室し、一息ついた三人はとるものもとりあえずという感じで風呂へと向かいました。
この旅館の露天風呂は半露天で道路に面しているという珍しいもの。
そぼ降る雨も、温泉に浸かってしまえば、ちょっとした情趣の引き立て役です。三人は行きかう人の足音や車の音を耳にしつつもみるみる内にグダグダな状態になっていきました。こんな状態では恐らく九九を唱えるのにも四苦八苦する事でしょう。

風呂を出て無脊椎動物と化した男達にさらに追い討ちをかけるように、酒と料理の波状攻撃が容赦なく襲いかかります。
インチンは酒を呑みたいだけ呑み、料理を食いたいだけ食い、黒牛をちびちびやりつつ酩酊したまま、お先に、とばかり一人撃沈。あとの二人は食後に腹をさすりながらTVを見たりアホ話をしたりし、夜も更けた頃、今度は内風呂の大浴場へ浸かりに行きます。

風呂を出た後は自販機で買った飲み物で喉を潤し、ふたたびバカ話。寝ていたインチンが急にガバリと起き、コンタクトをちゃんと外してふたたびドサリと眠りに戻ったのには驚きましたが・・・。
窓の外を見やれば、まだ雨が続いています。
そんなこんなで移動に大半を費やした一日目が終わってゆくのでありました。



⇒《二日目》へつづく


※ここでの評価はあくまで主観的なものであり、当方の感性によるものです。見る人によってさまざまな見方や感じ方がありますので、そういったものを批判・否定する意図などは全くないことをお断りしておきます。というかもう草ヒロ出てきてね〜んだよな(笑)。

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