叢荘8148号室―ZIT-report「NYMレポート」(3)
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(3)



話が逸れてしまった。

で、りあっちさんと連絡を取る。りあっちさんは既に会場入りされているというので指定されたポイントへ向かう。 こんなものまで
 この人かな・・・?
 恐る恐る近付いて確認を取る(周囲から見れば相当怪しい光景に違いない)。

「あ、りあっちさん・・・ですか? ・・・ヅラヲです」

怪しい、これはやはり怪しい。これが旧車のイベントという健全な場だから良いようなものの、○○や△△に囲まれた会場だったらもう完全に○○○系の男である。
 ついにりあっちさんの前に正体をさらけ出した私。挨拶もそこそこに二人で会場内を散策することにした。
 「ここ数年のニューイヤーは商業車が減ってしまって、面白い車が少なくなっていますね・・・」
 私同様、旧商業車をこよなく愛すりあっちさん。流麗なスポーツカーやイケ面のGTカーももちろん見ていて面白いのだが、やはりこういった全国規模のイベントの最大の楽しみは、めったな事では見ることの出来ないレアな車との出会いだ。
目を奪われた珍しい物件  今回我々の目を引いたのは、ケンメリスカイラインバンの救急車という珍車。 普通のケンメリバンですらかなり珍しい存在なのに、それの救急車とは何たるレアか。
「この救急車、私が以前N県で見かけたものですね」
 とりあっちさん。何とN県で現役稼働していた当時に目撃をされたと言う。いまさらながらりあっちさんの行動範囲の広さにはただただ脱帽するしかない。
ミュージアムレベル  さらにもう一台。フェアレディの前身、ダットサンスポーツS211の旧字体シングルナンバーというこれまたミュージアムレベルのレア車も来ていた。

「コレ、何気なく置いてありますけど、結構スゴいですよね・・・」

奇しくも二人が同時に同じ感想を抱いた。二人とも反応するポイントはどうやら似通っているようである。

展示車両をざっと眺めた後、オートジャンブルのエリアに行って出店していた某書店のカタログをしばらく冷やかすことに。もちろんチェックするのは商業車のカタログがメインである。お世辞にも広いとは言えないためブース内は結構な熱気だ。
購入カタログ  カタログは地べたに置かれたカートンに詰められ、メーカー別、車種別、カテゴリー別に整理されているのを二人で細かく確認していく。
 この作業が実に楽しいのだ。
「トヨタボンネットトラックのカタログ、案外多いですね」
「あ!これトヨエースのライトバスじゃないですか!!」
「コルトバン、かなり安くなっていますね」
購入カタログ  時間の経つのを忘れてしまう。今回はりあっちさんに煽られて(笑)、カタログを二冊購入した。いずれも私の内角に食い込んできた危険なカタログだ。

ここでちょっとした事件が起きた。

カタログ物色中、場所を移動しようと立ち上がった時、不意に背後に人の気配を感じたのである。



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