東京から山手線で新橋へ、新橋からはゆりかもめで会場まで直通で行ける。 「船の科学館」というクルマとは縁もゆかりもないような名前の駅で降りると、もはやそこは一日だけの旧車の祭典。
色とりどりのクルマやおびただしい数の白いテントが光に反射して眩しいくらいだ。 「この並んでいる人達の中で、果たして何人が『叢荘』の存在を知っているのだろう?」
などとミもフタもない疑問を投げかけていた。そんなトホホな妄想癖の私を花の都の冷たい風が容赦なく吹き付ける。
通りがかった入り口付近の芸文社のブースで、創刊号からのNH誌の表紙5号分をカードにしてパックされた物を思わず衝動買いしてしまった。 ・・・思えば携帯電話の無い時代、お互い会った事のない者同士、例えば文通相手と待ち合わせをする時、あらかじめ写真を送っていれば良いのだが、そうでない時は手紙、あるいは電話で、 「何時に何処そこで、何色の服を着ています」
などと細かい打ち合わせをして臨んだものである。 それが今やどうだ、相手の携帯電話の番号かメールアドレスを知っていれば、会場内に入って「今どこにいますか?」とやり取りするだけで初対面の人とも甚だ容易に会う事が出来てしまう。 今の時代、爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」という曲(年代がバレるな)に登場する「僕」のような、文通しているピュアな男性が果たしてどれくらい存在するのだろうかと思わずにはいられない。 ■次ページ(3)へ■前ページへ |
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