-CONTENTS- |
◆序 |
◆其乃壱 「探索隊、おおいに誤解されること」 |
◆其乃弐 「探索隊、ジンクスに悩むこと」 |
◆其乃参 「探索隊 サクラチル」 |
◆其乃四 「探索隊、豁然大悟すること」 |
◆其乃五 「探索隊 1周年を迎える」 |
◆其乃六 「探索隊 高速道路 ひそむワナ」 |
◆其乃七 「探索隊 TAMへ行く」 |
序 放浪。 なんとなくかっこのいい言葉である。 もともと私もタチ氏も車に興味を持っているわけではない人種なのである。 それが何ゆえ、草ヒロで、あまつさえホムペ開設なのか。 それはズバリ放浪という言葉に、そしてその行為に魅せられたからではなかろうか? 実際草ヒロ発見という目的を有している以上、放浪という表現は正確ではないかもしれないが、探索車運転を任されている私は毎回この放浪気分を十二分に堪能させてもらっている。 どういうことかというと、当たり前の話だが、そも草ヒロはどこに転がっているのか事前にわかっているわけではない。あの道を曲がったら、はたまたこの農道に突入したら、ちょっと横道にそれてみたら。どの選択も正解ではないし、間違いでもない。あーでもないこーでもないと、三人頭をつきあわせて、とにかく道路を進んで行く。 じきにヅラヲ氏の鼻息が荒くなって行くのがわかる。フガフガという呼気が聞こえる。話がそれるが、ヅラヲ氏は草ヒロ探索の為の「ヅラレーダー」なるものを脳内に実装しており、それが反応しだすと誇張でなく本当に鼻息が荒くなるのだ。感極まると洋モノのポルノ女優のような声まで発声されるときがある。一体そのときなんと発声しているのか? 微に入り細を穿って表現したいのだがヅラヲ氏の名誉の為にこれ以上言及は避ける。 とにかく、そうして道中を続けると不意に後部座席で周囲を警戒していたタチ氏が短く叫ぶ! 「あった!」 この探索の道中が放浪なのだ! 男のロマンなのだ! 芦屋雁之助なのだ! 阿佐田哲也なのだ! また、草ヒロそれ自体も魅せられるモノなのである。 先に述べたように少なくとも私は草ヒロの車種や年代に興味がない。もともと現役の車だって、アクセル踏めば走りブレーキを踏んで止まれば大八車でも問題ないという感覚の持ち主である。だからヅラヲ氏とは草ヒロに対する方向性が若干異なっている。 それは町の片隅や田舎の廃屋の裏や林の木陰に、ポンと在る。もう動くことはない車の死骸である。無機質であるがゆえに、その本来の役目が終了した今も在りつづける。錆が浮き、草木がその身体をつらぬき、かつては美しさを誇ったボディが長く風雨にさらされて、そこに在る。人によっては只の粗大ゴミだろ? 美観を損なうだけじゃないか。そう感じるかもしれない。只の粗大ゴミにはちがいない。その意見に対向するため希少価値を主張するのも一手だろう。だが私が草ヒロに興味をもったのは希少価値ゆえではなかった。繰り返しになるが、私は車に詳しくない。車種も年代もわかりゃしない。じゃあ何が私を魅了したのか? それは全てがそうとは言えないが、放浪じみた探索の果てに出会ういくつかの草ヒロ達は、上手く言えないが、そう、趣きがあったのだ。もののあわれや、侘びや寂びの一言で片づけるのはなんとも安っぽいので嫌いだ。趣きがあったという表現も充分に安っぽいけど。とにかく、風景に溶け込む草ヒロ達は大げさに述べさせてもらえば、確かに美しい!・・・と思う、いや・・・だから大げさにって断ったじゃないですか。 とにかくも三者三様それぞれの思惑は違えど、ヅラヲ氏に騙されて、いやいや、利用されて、じゃなくて、誘われて草ヒロ探検隊は結成したのである。収集した草ヒロの鑑定、分類はヅラヲ氏に一任するので、私は道すがら起こった、書いても書かなくても構わないけど、どちらかといえば書かなくても好いような出来事を、だらだらと気の向くままに記していこうと思う。 (2004.1.13) |
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◆其乃六 「探索隊 高速道路 ひそむワナ」 |
◆其乃七 「探索隊 TAMへ行く」 |
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