叢荘8148号室―インチンコラム「草ヒロ探索紀行」其乃弐(2)
「探索隊 ジンクスに悩むこと」
(2)

その時、私の頭脳に天啓に近い閃きが宿った。探索中私に課せられた役割分担は何かというと、無論繰り返しになるが探索車の運転である。当然二人のように走行中に草ヒロを探すことはできない、あぶないから。代わりにフロントガラスから覗かれる光景に関心を寄せる。例えば犬を散歩させてるオネーチャンなかなか可愛いナとか、コンビニからでてきたオネーチャン、キレイだなとか、後ろの車運転しているオネーチャン少々化粧が濃すぎるなとか、今追い抜いた歩行者のオネーチャン、彼氏いるのかなとか。 写真と本文は関係有りません オネーチャンに気をとられてない時は、暇があれば前をみて運転しているので、同乗の隊員諸君はこれからも大船に乗った気で探索活動にはげんでもらいたい。それはともかく、運転を努めている私にとって一服の清涼剤であるオネーチャンが徐々に姿を消し、代わりに乳母車を引いたお婆さんとか、フラフラと自転車にまたがってるお婆さんとか、鍬担いでのしのし歩いてる野良帰りのお婆さんとかが目に付き出す。運転している私にとって一服のニガイ漢方薬みたいなモンである。しかしこの漢方薬が効果テキメンなのである。ましてや、後ろから探索車が迫ってるのにも委細構わず堂々と、というかよろよろと道路を横断してみたり、アラそういえばここは車も通るわねといったクソ度胸の持ち主なのか往来のド真中で複数のお婆さんがお喋りしていたりすると、なおよろしい。こうした光景に出くわしだすと、決まって隊員の声があがるのである。

「草ヒロ発見!」と。

そう、これを名づけて「お婆さんの法則」と呼ぶ。ヒトはここまで読んでくだら ねぇとか言ってはならない。くだらないことこそが本コラムの趣旨だからである。 草ヒロ・シグナル 追記すると、お婆さんに限らず、勿論お爺さんでも条件は満たすし、さらにヘルメット をかぶって自転車をこいでる中高生でも、前から走ってきたウマでも、山に踏み入っ て行く猟銃かついだハンターでも条件は満たす。ちなみに多分にホラの多い本コラム であるが、ウマもハンターもホントに遭遇しました。しかも近場で。己の暮らす場所 がやはり田舎だなと再確認しました。

反復されるある種の行動について、つい法則性を探ってしまう悲しい現代人の深い 業みたいなものを感じなくはない。しかしこの「お婆さんの法則」はまだ肯定的な法 則だからまだいい。世の中表あれば裏もある。陽のあたるところに必ず影がある。当 然、否定的な法則も実は存在するのである。
それを隊員一同はこう呼んでいる。
「昼食 後のジンクス」と。

そこでいきなり本題に立ちかえるわけであるが、私は大変に憤っているのである!  このまま我々が「昼食後のジンクス」を克服できない限り、ZIT探索隊の存亡に関わ る! と。 「あっち行かね?」 「あぁ? それは来た方向だろ」 このままこのジンクスに流されていっていいのか? いいやよくない。ウイン グマン風に言うと「インチン、いけないと思うの」である! 古くてスマン! だらだらと余計なこと考えなしに書いていたのに最後に本題に戻れて多少浮かれ気味なのだ。 まず「昼食後のジンクス」について簡単に説明すると、昼メシ食べるとパタリと草ヒ ロが見つからなくなること、以上説明終わり

いや、これがホントに見つからなくなるのである。午前中に相当数収穫があがって

「ダンナ、この調子でいくと今月は写真ページは5ページ越えるでゲスヨ、ゲシシ シ」

などと浮かれていても、不思議と昼食を食べると1台も草ヒロが捕獲できなくなる のだ。私なぞもはやオネーチャン探すのも飽きて、鼻毛抜いたりしてますよ。
はては隊員が額を集めて真面目な顔で草ヒロの生態について議論しだし、いわゆるひとつの マズメ時を逃すといけないのではないかとかいう結論を導き出すような壊れっぷりを 呈するのである。このような現状を鑑み、私は憤懣やるかたないのである。なんとして でもこのマイナスジンクスを打破せねば我々に明日はない!

そこで最後にしめくくりとして各隊員に提案をしたい。私がナイ知恵絞って妙案を ひねくりだした。是非前向きに検討していただきたい。

次回の探索活動は昼メシぬき!

(2004.2.17)


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-CONTENTS-
◆序 
◆其ノ壱 「探索隊 おおいに誤解されること」
◆其ノ弐 「探索隊 ジンクスに悩むこと」
◆其ノ参 「探索隊 サクラチル」
◆其ノ四 「探索隊 豁然大悟すること」
◆其ノ五 「探索隊 1周年を迎える」
◆其ノ六  「探索隊 高速道路 ひそむワナ」
◆其ノ七  「探索隊 TAMへ行く」


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